蕁麻疹(じんましん)とは?

蕁麻疹について解説しております。

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 皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、皮膚と皮膚付属器の病気ナビでは、表皮、真皮、皮下組織の三層から構成された皮膚の仕組みと働きや、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)の仕組みと働きについてそれぞれ解説しております。また、皮膚の病気や皮膚付属器の病気についても、その概要や原因、症状、治療などを中心に、要点を整理してまとめております。


蕁麻疹(じんましん)とは?
〜皮膚の病気〜

皮膚(表皮、真皮、皮下組織)、皮膚付属器(毛包、脂腺、アポクリン腺、エクリン腺、爪)

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蕁麻疹とは?
 蕁麻疹とは、突然、かゆみ、灼熱感とともに、皮膚に局部的な膨疹(ぼうしん)があらわれるというもので、多くは短時間であとを残さずに消えますが、ときに発疹が長く続くことがあります。
また、再出現を繰り返すこと(反復)もよくあります。
膨疹とは、皮膚が少し盛り上がった状態(少し赤みがかった皮膚の浮腫)をいいます。
蕁麻疹を、おおむね一ヶ月以上にわたる期間反復するものを慢性蕁麻疹、およそ数日以内におさまっていくものを急性蕁麻疹として分けられます。
また、アレルギー性のものと非アレルギー性のものに分けることもできます。
さらに、原因によって、次のように分けることができます。
食 物
食物性蕁麻疹 → サバなどの生魚
薬 剤
薬剤性蕁麻疹
心因性
ストレスが原因による心因性蕁麻疹
コリン性
発汗刺激により生じるコリン性蕁麻疹
光 線
日光被曝により起こる日光蕁麻疹
機械的刺激
人工蕁麻疹
寒 冷
寒冷により生じる寒冷蕁麻疹
   など。
蕁麻疹という名は、イラクサ(蕁麻)の葉に触れると、かゆみをともなった発疹があらわれることからつけられています。

【原 因】
次のような原因が挙げられます。
アレルギー性蕁麻疹が引き起こされる流れ(原因)
@ 原因となる物質が、食物や薬剤として体内にとりこまれ、抗原抗体反応が引き起こされます。
A その結果、皮膚に存在する肥満細胞(皮膚の血管や血管の周囲に存在)が刺激され、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。
B このヒスタミンは、皮膚の真皮にある血管を拡張させるとともに、血管の透過性を高めて、血管外へ血漿成分を漏出させます。
C そして、真皮内に流れ出た血漿成分などによって、皮膚は赤く腫れあがります。
この状態が「膨疹」です。
D このとき同時に、化学伝達物質が皮膚の知覚神経を刺激し、強いかゆみを引き起こさせます。
E やがて、拡張した血管は収縮しはじめ、浮腫が消えて発疹の消失とともに、もとの皮膚に戻ります。

非アレルギー性蕁麻疹が引き起こされる原因
圧迫や摩擦などの機械的刺激や、寒冷、温熱などの刺激が、直接、皮膚に存在する肥満細胞を刺激し、その結果、上記と同じ一連の流れで蕁麻疹が起こると考えられています。
また、ストレスが原因で、皮膚の神経末端からアセチルコリンが分泌され、その結果(アセチルコリンの関与により)、膨疹があらわれることが、最近、分かっています。

肥満細胞(ひまんさいぼう)=マスト細胞(顆粒細胞)には、ヒスタミンという成分が多数含まれていますが、このヒスタミンは、血管に働いて血管を拡張させるとともに、血管の透過性を高めるように作用しますそのため過剰になると、皮膚に浮腫(ふしゅ → むくみ)を起こさせたり、平滑筋を痙攣させたりするなど、アレルギー様反応を起こします。

【症 状】
蕁麻疹の症状としては、一般に、強いかゆみをともない、突然、皮膚よりわずかに盛り上がった赤い腫れ(膨疹)があらわれます。
かゆいので、引っかいたりすると、病変がますます拡大し、ひどくなると、全身に及ぶこともあります。
しばらくすると、はじめにあらわれた膨疹は消えはじめますが、別の場所に新しい膨疹があらわれてきます。
そして、再出現を繰り返していきます。
食物や薬剤による急性型のアレルギー性蕁麻疹では、一般に、激しいかゆみとともに、膨疹が全身に広がります。
慢性型の非アレルギー性蕁麻疹では、膨疹の大きさも比較的小さく、かゆみもそれほど強くないケースが多いようです。

【治 療】
一般的に、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬が使用されます。
また、外用剤は、抗ヒスタミン製剤のレスタミン軟膏やステロイド外用剤が使用されることもあります。
抗ヒスタミン薬の内服が一般的なのは、刺激された肥満細胞から放出されるヒスタミンを中和する作用をもっているからです。
塗り薬の場合、強くすり込むと、かえって皮膚を機械的に刺激して、膨疹が消えにくくなります。

【対 策】
蕁麻疹を繰り返しているときは、皮膚を引っかいたり、摩擦しないように特に注意しましょう。
また、飲酒や、長風呂、強い香辛料などは避けるようにしましょう。
ストレスを減らし、十分な睡眠をとって、規則正しい生活を送ることが何より大切です。

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