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気管、気管支の働き |
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呼吸をすると、空気が気管や気管支を通って肺に入るわけですが、この気管や気管支を通ることによって、空気の加温・加湿や、異物の除去が行われます。
空気と一緒に吸い込まれた異物の除去のプロセスは次のようになります。
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比較的大きな異物は、まず鼻毛によって除かれます。 |
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A |
続いて上気道の粘膜(粘液)に付着して取り除かれます。 |
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B |
上気道を通り抜けた異物は、気管・気管支の内壁の粘膜によって捕らえられます。
捕らえられた異物は、この粘膜の表面にある線毛(気管支から太い気管の方へ向かってリズムカルに波打っている)によって粘液とともに咽頭の方へ送り出されます。 |
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C |
これで異物は、大抵、食道へ落ちていきます。 |
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D |
しかし、その量が多くなると、痰となって排出されます。 |
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さらに量が多くなったり急を要する場合は、痰が咳とくしゃみによって排出されます。 |
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F |
また気管支や肺胞の表面にも白血球などの食細胞が存在していますので、仮に細菌などが進入したとしても、それを退治するべく防衛反応が働くようになっています。 |
しかし、上記のような異物の除去プロセスが働いても、防御反応の限界を超えるような汚れた空気などを吸い込むと、例えば、タバコの長期に渡る吸いすぎなどでは、しだいに粘膜の細胞が破壊されて、腺毛の退化や粘液の分泌に異常がみられるようになり、さらにタバコの粒子だけでなく、ほかの異物も肺を直撃してダメージを与えることになってしまいます。
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肺胞の働き |
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肺胞内に空気が入ってくると、肺胞の薄い壁を通して、その周囲を取り巻く肺胞毛細血管との間で、酸素を与えては、二酸化炭素を貰い受けるというやり取り(作用)が起こります。
この作用で、酸素は血液循環(血液中のヘモグロビンと結びつく)へ、一方、二酸化炭素は、気体となって肺胞に出てきてから、吐く息とともに体外へ排出されます。
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肺胞の大きさは、直径が約0.1〜0.2mm、で両方の肺に3億〜6億個あるといわれています。
そして、深呼吸をしたときには、なんとテニスコートほどもある区域で、ガス交換(酸素と二酸化炭素のやり取り)が行われていることになります。 |
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呼吸筋の働き |
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肺の拡張は、肺そのものではなく、呼吸筋が行います。
呼吸には、胸式呼吸と腹式呼吸の二つがありますが、前者の胸式呼吸は、肋骨部にある内肋間筋・外肋間筋などにより、胸郭を前後左右に拡大、縮小して行います。
一方、後者の腹式呼吸は、横隔膜筋の上下の収縮・弛緩と腹筋の拡大、縮小などによって行われます。
ふつう、胸式呼吸法は、腹式呼吸法に比べて浅い呼吸となります。
もちろん、腹式呼吸法だけをやろうとしても、少なからず無意識のうちに胸式呼吸も行われます。 |
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胸膜の働き |
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肺そのものを保護しているのが二枚の胸膜です。
この二枚の間には、漿水(からだの分泌腺から分泌されてくる粘りけの低い体液)があって、呼吸運動によって起こる肺と胸壁との摩擦を防いでいます。 |